病院へのお見舞いにお花を贈るということ ― 心をそっと支える存在
大切な人が入院したとき、「何かしてあげたい」という気持ちはあっても、実際に何が一番喜ばれるのか悩む方は多いのではないでしょうか。そんなとき、昔から変わらず選ばれてきたのが“お花”です。
お花は、言葉にできない想いをそっと代わりに伝えてくれる存在です。「早く元気になってね」「無理しないでね」「応援しているよ」――そんな気持ちを、やわらかな色や香り、自然の生命力がやさしく包み込んでくれます。
お花がもたらす心理的な効果
入院生活は、どうしても気持ちが沈みがちになります。白い壁、機械の音、規則正しい生活。そんな環境の中で、色鮮やかなお花があるだけで空間の印象は大きく変わります。
花の色には心理的な効果があるといわれています。
・ピンクやオレンジは気持ちを明るく前向きに
・黄色は希望や元気を
・グリーンは安心感や癒しを
小さなアレンジメントひとつでも、ベッドサイドがぐっとあたたかい空間になります。視界に入るたびに「自分のことを思ってくれている人がいる」と感じられることは、回復への大きな励みになるのです。
“生きている存在”が与える力
お花は生きています。つぼみが開き、少しずつ表情が変わっていく。その変化を目にすることは、患者さまにとって小さな楽しみになります。
今日より明日、明日よりあさって。
花が少しずつ開いていく様子は、回復していく自分自身の姿とも重なります。
特に胡蝶蘭は「幸福が飛んでくる」という花言葉を持ち、品がありながら優しい印象を与えます。退院祝いにもつながる前向きなイメージを持つお花として選ばれることも多いです。
お見舞いに贈る際のポイント
一方で、病院へのお花には配慮も必要です。
・生花の持ち込みが禁止されていないか確認する
・香りの強すぎないものを選ぶ
・花粉が落ちにくい品種を選ぶ
・水替えの手間が少ないアレンジメントにする
最近では吸水スポンジを使ったアレンジメントや、管理が簡単なコンパクトサイズの花束が人気です。プリザーブドフラワーやアーティフィシャルフラワーを選ぶのも一つの方法です。
大切なのは「相手の体調や病院のルールを尊重すること」。その配慮も含めて、お見舞いの気持ちが伝わります。
花は“気持ちを形にする贈り物”
お見舞いの場面では、長時間の面会ができないこともあります。会話がうまく弾まない日もあるでしょう。けれど、お花はその場に残り続け、あなたの想いを静かに届けてくれます。
退院後、「あのお花、きれいだったね」と思い出話になることも少なくありません。
それは単なる植物ではなく、“支えられた記憶”として残るからです。
お見舞いのお花は、華やかさを競うものではありません。
相手を想う気持ちを、そっと空間に添えるもの。
言葉にできない優しさを、形にして届ける――
それがお見舞いにお花を贈る本当の良さなのではないでしょうか。
もし大切な方が入院されたとき、何を贈ろうか迷ったなら、ぜひ“花の力”を思い出してみてください。きっと、静かに、そして確かに、心を支えてくれるはずです。
