2026春のお彼岸
春のお彼岸とは?ご先祖様に想いを届ける、やさしい季節の行事
春のやわらかな日差しを感じる頃に迎える「春のお彼岸」。毎年3月の春分の日を中日として前後3日間、合計7日間がその期間にあたります。寒さが和らぎ、草花が芽吹き始めるこの季節は、自然とともにご先祖様へ感謝の気持ちを向ける、日本ならではの大切な時間です。
「彼岸」とは、もともと仏教の考え方に由来し、“向こう岸”=悟りの世界を意味します。それに対して私たちが生きている世界は“此岸(しがん)”。春分の日は昼と夜の長さがほぼ同じになり、あの世とこの世が最も近づく日と考えられてきました。そのため、この時期にお墓参りをし、ご先祖様に手を合わせる風習が生まれたのです。
春のお彼岸といえば「ぼたもち」も欠かせません。春に咲く牡丹(ぼたん)の花にちなんで名付けられたもので、秋のお彼岸にいただく「おはぎ」とは呼び名が変わりますが、どちらも小豆を使ったやさしい甘さのお供え物です。小豆の赤色には邪気を払う意味があるとされ、昔から縁起の良い食べ物とされてきました。
そして、お彼岸にはお花をお供えすることも大切な習慣です。春は、菊やカーネーション、スイートピー、ストックなど、やさしい色合いのお花が豊富に揃います。最近では、白を基調に淡いピンクや紫を合わせた、明るくあたたかみのあるアレンジメントも人気です。「悲しみ」だけではなく、「感謝」や「これからも見守っていてください」という前向きな想いを込めて選ばれる方が増えています。
お墓参りが難しい場合でも、ご自宅の仏壇にお花を飾り、手を合わせるだけで十分です。大切なのは形よりも気持ち。忙しい毎日の中で、ほんのひととき立ち止まり、ご先祖様や家族の歴史に想いを馳せる時間は、心を整えるきっかけにもなります。
春は新しいスタートの季節でもあります。進学や就職、引っ越しなど、環境が変わる方も多いでしょう。そんな節目の時期だからこそ、これまで支えてくれた命のつながりに感謝し、穏やかな気持ちで未来へ向かう――それが春のお彼岸の本当の意味なのかもしれません。
今年の春のお彼岸は、ぜひ一輪のお花とともに、やさしい時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
